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巻頭言

 今年の復活祭は遅くて、4月20日です。「イースターが遅い春は寒い。」と昔から言われていますが、今年は梅の開花が10日ほど遅れて、3月に入っても雪が降るなど、寒い日が続きました。キリスト教徒が多い欧米では「イースター休暇」と称して、イースター当日を挟んで連休にするところがあるようですが、日本のミッションスクールではそのようなことはありません。いつもは春休みの最中で、生徒たちにとって印象の薄い行事なのですが、今年の復活祭は新学期が始まって行われますから、ぜひ学校の宗教の授業や保護者へのお便りで、復活祭について取り上げてほしいところです。

 本来は、教会ではクリスマスより大きな行事なのです。復活祭はキリストの復活だけではなく、全人類が復活の恵みと確か希望にあずかることを祝う祝祭です。「十字架上で死なれた主は生きておられる」という弟子たちや人々の証言は、キリスト教信仰の根本となり、「復活祭」をもって今日まで数えきれない人々に生きる勇気を与えて来ました。

 先々月、フランシスコ教皇が病に倒れられて、ご高齢のこともあり、世界中で心配されています。来日されて、「すべての命を守るため、より良い未来をひらくため」に祈って下さったのが5年前。コロナの終結を待たずに始まった戦争の悲惨な現実に、遠い春を待ち望みながら、聖フランシスコと一緒に教皇様のご回復を祈りましょう。