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巻頭言

「春愁」
 美しく咲き誇る花々には、とても癒やされるのですが、春になって周りが浮き立つほどに、ひとり取り残されて行くようで妙に淋しくなります。
  花おのずからにして咲き 道おのずからにして開く
  ああ 愛する朴の木のごとく
  あせらず いそがず
  この世を生きてゆかん 一つの道を貫きゆかん
  守りたまえ 導きたまえ     -坂村真民-

 苦労した事が多く、苦しみの深さが深いほど、幸せが訪れた時、それがどんなにささやかな幸せでも、大きな幸福感として満喫できるものではないでしょうか。
 断食の行は、日頃の豊かな食事を絶つ行為の後、初めてふだん通りの食事をいただいた時、「こんなに美味しいものであったか。」と、感謝させるものではないかと思います。断食の行とは、世の中のあらゆるものを感謝する心を芽生えさせるための行であったか、と感じます。病気、貧困、不安とは、幸福を感じるために乗り越えるものです。そして、日ごろから、どんなことでも周りに探して見つけることが幸福への道と言えましょう。

「今やわたしは、あなたがたのために苦しむことを喜びとし、キリストの体である教会のために、キリストの苦しみの欠けたところを身をもって満たしています。」