巻頭言

8月15日は終戦記念日。わたしたち日本人にとっては、決して忘れることのできない大切な日ですが、同時に、ザビエルが初めて我が国にやってきた、日本のキリスト信者にとって記念すべき日でもあります。1549年の8月15日、フランシスコ・ザビエルが鹿児島(現在の鹿児島市祇園之洲町)に上陸しました。
ところで、ザビエルが日本へ布教にやって来るきっかけを作ったのが、日本人のヤジロウ(アンジロウ)という人物です。ヤジロウは若い頃に殺人の罪を犯し、復讐を恐れて、一時マラッカに逃れていましたが、ポルトガル船の船長であったジョルジュ・アルヴァレスの引き合わせで、ザビエルと出会い、罪の告白をしました。ザビエルはヤジロウの人柄や、彼の話す日本の様子を聞き、日本での布教を決意したと言います。ザビエルを日本に導くきっかけを作った人物が、殺人を犯した罪びとだったという事実は、その後の日本におけるキリスト教布教の歴史から見ても、非常に象徴的な出来事であるように感じられます。

信仰とはいったい何なのでしょうか? わたしたちが神様に向かって祈るときは、いつも平和でいいときばかりとは限りません。苦しいとき、何か困難に見舞われている時こそ、なお一層真剣に神様と向き合い、祈るのではないでしょうか? 世界中に恐ろしい病や災害が蔓延している今、ともすれば無力感に陥ったり、時には絶望の淵に立たされることもあるかもしれません。しかし、そんな時だからこそ、なお一層祈りが、そしてたとえ小さな一歩だとしても、希望をもって行動することが大事なのではないでしょうか? 勇気をもって祈り、そして一歩を踏み出しましょう。きっと神様はどんな時もそばにいてくださいます。