カトリック菊名教会

巻頭言

「序唱の味わい」を始めるにあたって

 2月は多くの殉教者たちを想起し賛美する月です。3日には福者ユスト高山右近、5日には日本26聖人殉教者、6日には聖アガタおとめ殉教者、23日には聖ポリカルポ司教殉教者を祝います。これらの日々のミサでは「殉教者をたたえる固有の序唱」が使われますが、中心部分は御父に対する次のような賛美となっています。「聖〇〇〇〇はあなたの恵みに強められ、いのちをささげて御子キリストをあかししました。弱い人間の中にあなたの偉大な力が示され、十字架の道を行く者のなかに、人の知恵をはるかに超えるあなたの愛が輝き出ます。」

 高山右近や日本26聖人殉教者は、日本の地における殉教者であるため4、500年の前であっても何か身近さを感じますが、1700ほど前のアガタや1500年前のポリカルポとなるとなかなかピンとこないのが正直なところではないでしょうか。でも教会は時代や場所や文化を超えてキリストへの信仰をいのちをかけて証しした人々を忘れずに記念し続けるのです。「殉教者」と日本語に訳された本来の言葉は「マルテュロス」で「証人」を意味する言葉です。彼らが「英雄」であることは間違いないのですが、それ以上に自分の命を賭して決して変わらない大事なことを「つないでくれた/証ししてくれた」ことを私たちは敬意もって感謝するのです。しかもそうした彼らを通して「弱い人間の中に父なる神の偉大な力が示された」と教会は驚きをもって神を賛美するのです。

 「偉大な力」とは愛であり、それは御子イエス・キリストの十字架のできごとを通して輝き出ました。ミサ聖祭はこのことをイエスの命令として行う秘跡的行為です。上にあげた殉教者たちはみなこのミサを通してキリストと出会い、ついには殉教(=証人となること)の恵みと力を授かったのでした。キリストについていく私たちもまた、それぞれの境遇にあって「偉大な力」の「証し人」となり、信仰をつないでいく恵みと力を願ってまいりましょう。